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3月14日

思いっきり時期外れですが、毛利さんのお誕生日近辺に書き溜めていた会話劇です。
お誕生日当日の毛利さんと、それぞれの仲間とのやり取り(柳生邸居候時代)

■3月14日 朝6時30分
「……ぉはよぉ―」
「えぇっ、当麻!?お、おはよう。……びっくりしたなぁ、こんなに朝早く起きてくるなんて」
「失礼な奴だな。俺だってたまには朝早く起きる事もある」
「そりゃそうだけど……何だか意外過ぎてさ、何となく調子が狂っちゃう感じ」
「そりゃ悪かったな。お前の調子を狂わせるほどの寝坊助で」
「そんなに拗ねないでよ!とにかくもうすぐ朝御飯が出来るから、皆が来るまでリビングで待ってなよ」
「……伸」
「ん?」
「そのさ……」
「何?どうかした?当麻」
「その……、誕生日……おめでと。いつも……その……ありがとなっ(ボソッ)」
「と、当麻!?今、君なんて……」
「お、俺さ……リビングに行ってるわ」
ダダッ!
「ちょ、当麻っ!待ってって、あぁ―、もう逃げ足が速いんだからまったくもぅ!……照れ屋のあのコらしいっていうか……あれだけを言うためにきっと朝早く起きてきたんだね。慣れない事するんだから、本当に。……でも、アリガト当麻。君の気持ち、ちゃんと伝わってるよ」
*****
■3月14日朝7時30分
「あの三人はまだ仕度に戸惑っているのかな?あと少しでバスに乗り遅れちゃうってのに」
「いつもの事だ。放っておくがいい。遅れるのは自己責任であるから、たまにはお灸を据える方があやつらの為にもなろう」
「確かにね。たださ、もう少し手早く準備しておけばいいのにって思っちゃうよね、毎回」
「……伸。取り越し苦労でお前の神経の方が先に参ってしまうのではないか?」
「ハハッ。そうならない事を祈るのみだね」
「冗談にならんぞ、それは。お前が先にくたばってしまえば元も子もなかろう?それだけは御免蒙る」
「大丈夫だよ、征士。僕はそんなに柔じゃないから。心配してくれて、アリガト」
「礼には及ばん。それよりもこちらの方がお前に対して礼を述べねばならぬ。伸、心から感謝している。……そして
誕生日おめでとう。お前の存在があってこそ、日々安らかな心で生活できているのが何よりの証。上手くは言えぬが……私の心からの想いだ」
「……うわっ、征士ったらっ、何ていうか直球過ぎて……」
「済まぬ。私の言い方はやはり拙かったか?」
「いや、そうじゃなくって……。不意を衝かれて、やられたっていうか……。ゴメン、凄く嬉しいんだけど、いきなり過ぎて気持ちが今、追いついてない……」
「それは悪い事をした。私はまだまだ未熟者だな。これだけは言っておくが、お前を慌てさせるつもりはなかったのだ」
「そんなに謝らないでよ、征士。何ていうか、僕さ、こんなに改まって君からの感謝とおめでとうの言葉を伝えてもらって物凄く嬉しいんだ。嬉し過ぎて……逆に胸が詰まって、上手く言葉に出来ない僕がいるんだ。驚いてるよ、こんな自分の事を」
「お前の顔を見れば分かる。戸惑いの中に見え隠れしている、本当の気持ち……私には伝わっている」
「アリガト、征士。……あっ、やっとあのコ達間に合ったようだ。何とか遅刻しそうに済みそうだね!」
「ああ。お前の大切な日に遅刻をやらかすなど言語道断!帰ったら私がこってりと搾り上げるつもりだ」
「誕生日だから僕に免じてホドホドにしてあげてね」
「分かっておる。任せておけ」
*****
■3月14日 午後3時50分
「しぃ――んっ!」
「遼っ!今帰りかい?」
「ああ、丁度部活が終わったところなんだ。よかったら一緒に帰ろうぜっ!」
「勿論。……それはそうと、どう?部活の調子は。我が高のエースストライカーさん?」
「ばぁ―か!茶化すなよ!この前の練習試合でもハットトリック達成できたしな。大分調子がいいよ。それもこれも伸のおかげだな!」
「僕のおかげ!?さて?僕はそんなに君に貢献した覚えはないけどなぁ……」
「謙遜するのはお前に似合わないぜ?俺の試合の日には栄養バランスたっぷりの豪勢な弁当を作ってくれたり、試合直前のコンディションを整える為に影ながら色々とサポートしてくれただろ?俺、お前には感謝してるんだぜ?これでも」
「何だ、そんな事か。それ位当然でしょ?遼に限らず、征士達が試合の時にも同じ様に接しているつもりだけど」
「お前にとってはそれが当たり前の行動なのかもしれないが、俺達にとってみればそれは、何物にも代え難い強力なバックアップなんだぜ?」
「やだなぁ。遼の方こそ謙遜してるじゃないか!僕はただ皆が普段どおりに活躍してくれればいいと思っているだけで、取り立てて何も特別な事はしてないよ?それこそ、試合の結果は皆が毎日努力した成果の積み重ねじゃないか!」
「……伸、お前……本気で分かってないだろ!?」
「どうしたんだい遼?そんなに怖い顔しちゃって。君らしくもない」
「伸。俺、今日がお前の誕生日だって知ってて、こんな台詞を吐くつもりは無かったんだが……一言言わせてくれ。お前はもっと自分の事を大切にしろ!いや、違う。俺はもっとお前自身を大事にして欲しいんだ。たぶんこれは俺だけの想いじゃなくて、皆が共通で願っているお前に対しての想いだ」
「遼……」
「せっかくのお前の誕生日にこんな台詞を吐いちまってゴメン。お前の御蔭でどれだけ皆が自分らしくいられるのかを分かっているから余計に……お前の優しさに心底甘えちまっている自分がもどかしい……」
「……遼。君はずるいよ」
「……伸?」
「そんなに真っ直ぐに穢れない想いをぶつけられちゃ、僕はもうどうしていいのか分からない」
「伸、ゴメン!俺……」
「遼、誤解しないで。僕はね、君を責めるつもりは毛頭ないよ。それよりも寧ろ……君達がこんなにまで僕の事を考えていてくれたって事が……ダメだ。やっぱり反則すぎるよ、これは。……遼、僕は君を恨むよ。君にそんな台詞を吐かれちゃ、もう一生今日の誕生日を忘れられなくなってしまったじゃないか!」
「伸……。お前、俺達を責めてるのか?それとも嬉しいのか?」
「嬉しいほうに決まってるだろ!?お願いだからこれ以上僕を困らせないで」
「ばぁ―か。困り顔で懇願されても、俺達のお前に対する想いはずっと変わらないからな!覚悟しておけよ?」
「ああ、もう今日は今朝からずっといい意味で僕の想いを裏切ることばっかり起きてる」
「それもこれもみな、皆がお前の事を大事に想っているからだよ!……伸、誕生日おめでとう。そしていつもありがとう!いつもいつまでも今のお前のままでいてくれよ!約束だからな!」
*****
■3月14日 午後10時30分
「あぁ―!今日は腹いっぱい美味しいもの食った♪ナスティが腕によりをかけて作った誕生日メニューだもんな!」
「本当に美味しかったよ。特にデザートのカシスアイスは絶品だったね!でも僕、後片付けの手伝いしなくて本当に大丈夫だったの?」
「おまぁえぇはぁ―!!!自分の誕生日くらい後片付けの心配なんかすんな!ちゃんと俺等が分担して片付けたから安心しろっての」
「ゴメン。ついいつもの癖が出ちゃった。これだから遼にも突っ込まれる訳だ。全く今日は朝から時間差で代わる代わる皆から祝ってもらって堪らないな、もぅ……」
「ばぁ―か!照れてんじゃねぇ―の!ったく、お前はいっつも自分の事は蔑ろにして俺達の事ばっか気に掛けてるから、たまには自分の身を労わってやれっての!」
「秀、君に言われると一番堪える……」
「普段は面と向かって言わねぇが、俺らがどんだけお前に対して感謝してるか分かってないだろ?っつか、俺等が感謝の気持ちを述べようとするとお前はさ、無意識に逃げちまうんだよ。『僕はただ普通の事をしているだけ。別に大した事はしていない』って」
「秀……」
「そうお前から先手を打たれちまえば、俺らがどうしようもなくなっちまうのも無理はないだろ?だからさ、お前の誕生日には
遠慮なく素直な気持ちをお前にぶつけたいわけ。この日くらいはさ、ありったけの感謝の気持ちを込めて俺らに言わせてくれよ。『伸、誕生日おめでとう。いつもありがとう』って」
「……何だかな……君達ってば、ホント容赦ないよね」
「こんな時くらい強がんのは止せよ、伸!俺はわかってるぜ?お前が今泣くのを必死に堪えてんのも。そして本当の気持ちとは正反対の強がりを零すのが精一杯なのも」
「はぁ……敵わないな、君には」
「そりゃもうお互い同室になった時点で、分かりきってる事じゃねぇか!って、それは俺が一番お前から影響受けてるから言えることだけど。……全てみんな、お前のおかげさ。伸、感謝してるぜ、アリガトよ!」
「もぅ最後の最後で秀に止めを刺されちゃったな。本当にもう君達は僕の心をいっつも掻き乱してくれるよ、いい意味で!」
「おっ!お前から俺らに対しての最大級の賛辞だな、それは!明日の朝、早速皆に報告してやるぜ♪」
「ああっ、もう勝手にして!」
「伸ッ、顔が笑ってるぞ!……今夜はお互いいい夢が見られそうだな!明日からもよろしく頼むぜっ♪」
「うん。今日は皆の御蔭で最高の誕生日になったよ!アリガト、秀。……そしてありがとう、皆!」
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