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君の声が

携帯更新第二弾です。
島さんとテレサの、第15話のシーンです。

「……島さん……」

テレサが零した言葉に呼応するように、テレザリアムの空気が一瞬にして揺らぐ。

耳の奥に染み込む、柔らかな声は、眠ったままの魂を、緩やかに呼び起こす気がした。

……違う!
さっきまでの彼女とは、明らかに何かが違う!……
理屈では計りきれない感情が、沸々と胸の底から沸き上がり、瞬く間に全身を覆い尽くす。

古代達と一緒に居た時の彼女とは、明らかに違う、愁いを秘めた声の響き。

さっきまで感情を極力抑え込んでいた事務的な口調は、実は本当に彼女が伝えたかった事じゃない。

そう断言できる位、目の前の立ち姿は、消え入りそうに儚くて。

自分の判断に間違いがなければ、今から彼女が語り出す言葉が、彼女の真実に違いないはず。いや、絶対そうに違いない!

根拠のない無自覚な自信は、時として己の人生を根底から揺るがす、真実の在り処に辿り着くのだと……
その時は知る由もない俺だった。

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