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気が付いたら

前回UPした記事から半年以上経過し、気が付いたら年を越えてました…

思うことなどをつらつらと箇条書きで呟いてみようかと

■ジョウとアルフィンの結婚に関しての周囲の反応を妄想

1.タロスとリッキー
 
  二人から結婚するとの報告を聞いて

 「兄貴、今更それ言う?オイラ達随分と待ち草臥れたから、御祝儀祝いで特別休暇を目一杯取らせてくれよぉー!オイラ、是非行きたいとこがあるんだよぉ~。ねっ、兄貴!異論はないだろ!?


 ニヤニヤしながらジョウの脇腹を肘で小突くリッキー
 憮然としながらも顔が真っ赤になるジョウ
 特別休暇は名目上、自分達の為に新婚旅行を行かせてあげたいリッキーの小芝居を見抜いているがために反論できない二人

 「お前にしちゃ、意外と気が利く発言じゃねぇか」
 「馬鹿にすんなよぉ!オイラだって伊達に長年クラッシャーやってないわい!」
 「お荷物がなんかほざいてますぜ」
 「なんだとぉ!このウスラでか!」
 
 いつものパターンに陥りそうになるのを、冷やかされてまだ顔がほんのり赤いアルフィンが制す

「ちょっと待ってよ!向こう半年以上スケジュールがギュウギュウつまってんのに、いきなり仕事をキャンセル出来るわけないでしょ?違約金だって馬鹿にならないのに」
「アルフィンのいう通り、プライベートな事案で特別休暇を取るわけにはいかない。ましてやこれから重大案件が目白押しの予定だ。ここで後れを取ったりミスを侵したら、後々まで響く。それは絶対に避けたい」

 アルフィンと並び立つジョウの眸に強い意志が漲る
 そんな彼を隣から見上げる彼女の表情にも凛とした意志が浮かぶ

「そうはいっても兄貴ぃ~、せっかくの目出度い門出に何もないっつーのはオイラ何だか寂しいなぁ。ようやくここまで漕ぎ着けたんじゃないか」

 尻すぼみになっていく口調としきりに残念がる彼の姿を見て、込み上げる嬉しさが裏打ちされたアルフィンの言葉が宙を裂く

「なぁ~に言ってんのよ!そんな湿気た顔見せたら、天国のガンビーノだって心配するじゃない!今までだってそうだし、これからだっていつもいつまでも変わらない特Aクラッシャーチームの底力を見せつける絶好の機会なのよ、次の仕事は!うかうかしてらんないわよ」

 彼女の言葉に少しハッとした表情を隠せないながらも、毒気に交じって本意を放つリッキーの声にクラッシャー魂が宿る

「…ちぇっ!先にチームに入ったオイラよりもクラッシャー精神にとことん塗れてんじゃん、アルフィンはさぁ。どれもこれもみんな兄貴のせいだぞ!んな事言われたらとことんやるっきゃねぇだろ」
「んなこたぁ、アルフィンが密航してきた時から分かりきってたことなんじゃねぇのかい?坊ちゃんよ」
「なんだよタロスまで俺のことガキ扱いしてさぁー!あー、やってらんね」
「ならミネルバを降りるか?」
「バカ言ってんじゃねぇーよ、この木偶の坊!」

タロスに挑み掛かろうとするリッキーを小さく笑みを浮かべたにジョウが制す
その柔らかい笑顔はこれまで見たことがない極上のそれだった

「タロス、リッキー、サンキュ。お前達の心遣いは十分に俺たちに伝わってる。俺たちはクラッシャーである限り、今までもこれからもずっと俺たちのままだ。夫婦になるという以前に仲間であることを決して忘れちゃいない。いや、忘れちゃいけないことだ」

ジョウの言葉にタロスとリッキーは一瞬言葉を失う。
それほどまでに強い意志を携えて一緒になろうと誓う二人の姿を認めて、タロスは僅かに右頬を押し上げた後で吐息に近い声をそっと漏らした。
緩やかな地鳴りのような響きを持つ声が静寂を破った。

「…二人ともそれでいいんですかい?」

間髪をいれず揃った声がミネルバのコックピットに強く…強く反響していった。

「当然だ!」
「もちろんよ!」


2.ダンとハルマンⅢ世

(拙作 暗黙 をお読みいただいた上で、こちらの妄想にお付き合いください)

「…君と再びこうして会話するのは、あの時以来だということは感慨深いものだ」

真紅のワイングラスを右手で軽く揺らしながら穏やかに語り掛ける男性の眸には、遠く離れた娘を想う慈愛に満ちた心が溢れていた

それは威厳に満ちた一国を率いる国王としてのそれではなく、ただひたすら娘の幸せを願う父親としてのそれであった

「…結婚のご報告は幾分速過ぎましたでしょうか」

硬さを伴った低音がモニター越しから届くのを、落ち着いた気分で受け取る自分の心境に一時の変化がない事をハルマンⅢ世は非常に嬉しく思った

「いや、遅過ぎもせず速過ぎもせず、実に丁度いいタイミングだと私は感じたが。君はどうかね?」

差し出した質問の向こう側で、モニター越しに対面する男が少しもたじろぎもせず受け止めた事もまた、彼を一段と喜ばせた

「私が思い描いていた時期とピタリと一致したことについては文句のつけようもございません。…ただ…」
「…ただ?」

微かに言い淀んだ男の顔に一瞬だけ険しい表情が浮かんだのを、ハルマンⅢ世は見逃さなかった。
それはとてつもない修羅場を潜り抜けてきた人間だけが共通して持つ、特有の研ぎ澄まされた嗅覚に違いなかった

「ただ…ご息女には不肖の息子の優柔不断さが災いして、随分と御心配をお掛けした事かと」

心底申し訳なさそうに首を垂れる男に、今はクラッシャー評議会議長という厳格な人物とは程遠い、非常に人間臭い一面が漂っているのを感じ取って、ハルマンⅢ世は口元に僅かに笑みを浮かべた

「君もやはり私と同じ一人の父親だよ。いくら周囲が我々を奉っても、誰にも見せない本当の本音のところは君と私は変わらん。違うかね?クラッシャーダン」

ワイングラスが微かに傾げ、ゆらりと波打った真紅のさざ波がまろやかな時間を紡いでいく

やや時を置いた後、男の表情にいつもの厳しさが戻っていた

「結局、ご息女はご本人の意思で里帰りされないまま、このような結果に」
「もとよりそれは承知の上で送り出したのだ。私に何が言える権利があろう?あとは二人の末永い幸せを祈るのみ…ただそれだけだ」

一口流し込んだワインが、今日はなぜか程よい酔いを齎すのを自覚しながら、ハルマンⅢ世は男に最後の言葉を投げ掛けた

「娘は幸せになれるかね…?」

その言葉を非常に厳かな表情を浮かべて受け止めた男は、力強く言い切るのだった

「クラッシャージョウはどんな事があっても己の強靭な意思に基いて生き抜き、やり遂げる男だと…私はそう信じております!」

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