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前回のアルフィンの葛藤に引き続き、今回はジョウの場合を書き綴ってます
〜ジョウの場合〜
ジョウとタイラー。
原作を読み返すと共通点が幾つか見つかります。。
チームリーダーであることがひとつ。
同期のクラッシャーであることがひとつ。
そして親同士が創成期のクラッシャーであり、現在はクラッシャー評議会に身を置いていることがひとつ。
(原作5巻を読み返すと、評議会議長でるダンとタイラーの父親は懇意であることが窺い知れます)
こうして原作での記述を挙げてみる限り、彼らは周囲からライバル同士と見られていても不思議ではありません。
いや、ライバル視しない方が無理という感じがします。
それは本人達も嫌と言うほど実感していた筈だと思います。
同期ということは即ち、実績・実力を較べやすい土台が全て揃っている上での評価を周囲から下されますから、お互いを全く意識しないことは無理でしょう。
しかし原作を読む限り、彼らの間に妙なライバル心が見え隠れしているようには思えないのです。
彼らは心の奥底には、ある共通した意識で繋がっているように見えるからです。
それは前述した、親同士が創成期のクラッシャーであることが彼らの心を繋ぎ合わせる接着剤の役割をしているからだと思います。
親の世代が築いた仕事を継承(ジョウの場合は多少事情が複雑かも)するということは、並々ならぬ精神力と忍耐が必要だと感じます。
それもクラッシャーという仕事はダン達が創始者であり、また宇宙にその仕事を認知させ、定着させたという事で一時代を築き上げました。
この事実の前では、いくら特Aクラッシャーのジョウと言えど、どう足掻いても太刀打ちできそうになりません。
親父とは違うと粋がってみても、自分という存在(仕事)を最大限活かしてくれるのは、親達の世代が環境・待遇などを、試行錯誤しながらも壮絶な決意で整えてきた現在の状況に他ならないわけで。
偉大な親に対する、言いようのない鬱屈した感情はおそらくタイラーもジョウと同じであったはずだと思います。
同期のクラッシャーをライバル視するよりも、遥かに大きく、常に圧し掛かってくるのは・・・
親達の評判をいつか自分達の世代で越えてみせるという、無意識のプレッシャーが心に巣食っていたのだろうと思います。
親の呪縛(この場合はダンの息子であるという逃れようの無い事実と、ことごとくダンと自分とを較べたがる周囲からのプレッシャー)を解き放ちたいという想いは、いつしかジョウとタイラーの心を結び付けていたように感じます。
タイラーを失ってしまった(それもタイラーに非はなく、不本意な状態でクリスの手先となってしまった彼らと自分達が戦わなければならなった不条理)ことは、ジョウにとって自分の中の大切な何かを失ってしまったような喪失感が、彼の人生に何らかの影を落としてしまうような気がします。
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