島さんとテレサ 16話から

……逢いたい……

……島さんにもう一度だけ……

……逢いたい……


僅かな震えを伴った君の声が、俺の名を呼び続ける。

華奢な躯に、拭いきれない哀しみの欠片を、幾重にも封じ込めた、君の声が俺を呼ぶ。


あんなにも、ヤマトに乗艦するのを拒んでいた君が、俺の為に……
ヤマトへと俺を送り届ける為だけに……

ただそれだけの為に……

本当の心を押し殺して、俺に心配かけまいと笑顔を向けてくれた彼女の想いと、切ない愁いを含んだ声が重なる。


……逢いたい……


この想いを、言葉に載せる訳にはいかないと、彼女は必死に自分を押し止めたに違いない。
だけど、どうしても堪え切れない俺への想いが、彼女自身の戒めを振り切って、ここに届いていたのなら……


テレサ！
テレサ！！
俺も君を……
テレサ、君だけを……！！！


見えない壁に閉ざされかけた真実の愛が今、島とテレサの二人の心を深く強く結びつける。