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ジョウを巡る女性達〜劇場版マチュア篇〜

2003年12月21日サイト初掲載

2.儚く散った一輪の花・・・マチュア

映画版CJのゲストヒロインであるマチュアの最初の登場シーンを見たとき、ある意味度肝を抜かれました。
一糸まとわぬ彼女の美しい裸体(←恥ずかしい言い方ですみません!)がスクリーン一杯にこれでもか!という位に映し出されたとき、周囲の目を気にして思わず俯いてしまった私です。
(↑あの頃はまだ若かったなぁ;;;)

ジョナ・マチュア。
オーパス総合大学の重力物理学研究所で父親の助手を務めていた彼女は、父が開発した新型ワープ装置が外部からワープコントロールできる機能が偶然備わっていたために哀しい運命に呑み込まれていきます。

柔らかな物腰、落ち着いた態度、優しげな眸。
ある意味アルフィンとは正反対のイメージで登場した彼女は、宇宙を守るという想像を絶する使命の影で儚く散っていきました。

映画の中ではアルフィンの嫉妬を被る立場の彼女ですが、ジョウとの関係を抜きにしても案外アルフィンとマチュアは仲良くやっていけるような気がします。
ジョウに対してはやんちゃな弟を見守るような感じだと思いますし、そんなジョウに惚れているアルフィンの愚痴を聞きつつ、何かと彼女にアドバイスしながら二人の関係を微笑ましく感じている優しいお姉さん・・・といった感じでしょうか。

ジョウ達に助けられて意識が戻ったとき、あれだけ混乱した状況下でありながら必死に自分のしなければならないことを考え続けていた彼女は本当に芯の強い人だと思います。
普通の人なら取り乱すか自分に課せられた責任の重さに耐えかねて逃げ出すかのどちらかになるかと思いますが、彼女はそんな素振りを一切見せずに自分が出来得る最大限のことに己の命を掛けて挑もうと決意します。
このとき既に彼女は覚悟を決めていたんではないかと思わずにいられません。
父が自分に託した切迫した想いを冷凍睡眠装置の中で意識を失う寸前に引き継いだ彼女だからこそ、自分が何をしなければならないのか・・・ということを第一に考えていたのだと思います。
彼女の父親や仲間たちを愛する気持ちと研究者としてのプロ意識が、恐怖で怖気づきそうになる心を奮い立たせつつ、彼女の気持ちを気高く支え続けていたのだと思います。

父親の本当の愛情を知っていた彼女はジョウが口にするダンへの想いを受け止めながら、やんわりとジョウの甘えを諭します。
比較されることが嫌いな彼が、それでも親と同じ道を歩み続けている現実はマチュアもジョウと同じ立場であるから、ダンのジョウに対する気持ち、またジョウのダンに対する気持ちが彼女には痛いほど分かっていたのだと思います。
偉大な親に対して突っ張ることだけでしか自分の存在価値を見出せずにもがき苦しんでいるように見えるジョウを彼女は放っておけなかったんではないかと思います。
結局あの場面では「心配しているわよ」というマチュアに対して、意固地なまでに突っ張るジョウが話題を摩り替えてしまって終わりになってしまいましたが、あのまま会話が続いていたらどうなっていたのかな〜?と最近思うようになりました。

最終的に彼女は自分の使命を全うし、ジョウの腕の中で静かに息を引き取ります。
「ありがとう・・・ジョウ・・・」と最期の言葉を残した彼女は微笑んでいるように見えました。
自分の命を盾にして守り抜いてくれた父親との無言の約束を達成した安堵感と、危険を顧みずに自分の使命を力強くバックアップしてくれたジョウのチームに対する感謝の気持ちが、最後の最後までずっと張り詰めていた彼女の気持ちを解き放ってくれたと思うから・・・。

ジョウにとってマチュアは自分の中の弱さも脆さもすべてひっくるて、ありのままの自分を丸ごと受け止めてくれる大切な女性(ひと)だったのかもしれません。(←恋愛関連の気持ちは一切抜きで人間として分かり合える仲間と言ったらいいでしょうか?)

儚さのなかに凛々しさを秘めているマチュアはいつの間にか私の中で素敵な女性へと変わっていきました。

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