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げに恐ろしきは・・・・・・

一年で一番寒い季節を迎える頃になりました。

各地で大雪の被害に見舞われ、寒い中復旧作業を待っていらっしゃる方も多いかと想います。
一日も早い復旧を願うと共に、皆様方も寒さ厳しい折、どうぞ体調など崩されないようにお気をつけください。

久しぶりにCJSSをUPです。
まず最初に謝ります。
格好いいJさんをお望みの方には、申し訳ない御話となっております(汗)
どうぞ広い御心でお読みいただけましたら幸いです。

よろしかったらどうぞ!

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次回作更新の励みになっております★

「・・・・・・で?何でお前がここにいる!?」

偶然居合わせた人物から、無愛想極まりない言葉が自分に向け炸裂する。
こちらの存在を、ある意味見下したような物言いにジョウは思わず振り上げかけた拳を懸命の思いで堪える。
ただでさえ人通りが多い道の真ん中で、女性相手にこちらから手を出すものではないという最低限の常識は、辛うじて持ち合わせているジョウだった。

しかし、か弱き女性ならまだしも、自分とほぼ同じ背丈で、鮮やかなオレンジ色のクラッシュジャケットを身に纏い、悠然と佇む女性クラッシャーに対して、その常識は果たして通用するのか一抹の疑問は残る。
少し胸に疑念を抱いたまま、相手の挑発もどきにやや喧嘩口調で応えるジョウ。

「何処にいようと俺の勝手だ。アンタにそこまで口出しされたかないね。悪いが急いでいるんでこれ以上俺に構わないでくれ」

凄みを効かせた睨みでダーナを一瞥すると、ジョウはそのまま彼女とその隣りに陣取っている高性能アンドロイドの脇を通り過ぎようとした。

「・・・・・・始末しますか?」

恐ろしく無機質な声がトトから漏れるのを背中越しに聞いたジョウの頬が僅かにピクッと跳ね上る。
本気も本気。
冗談など一切通じないような乾いた声に空恐ろしさを感じたジョウが振り返った途端、薄ら笑いを浮かべたダーナがジョウに止めを刺す。

「いや。今回の獲物はアイツじゃないよ、トト。またそのうち、やり合う時が来ると思うけど。それまで戦闘能力を保持しておいて」

「承知しました」

ダーナとトトのやり取りを盗み聞いて一瞬顔面蒼白になったジョウは、すぐさま踵を返しダーナに食って掛かる。
ありったけの理論武装を施して。

「俺はお前ら相手にドンパチやらかすほど落ちぶれてねぇ!敵対しているとはいえ、同じクラッシャー仲間を敵としてアンドロイドに認識させてるのは冗談にも程がある!」

喚き散らしながら噛み付くジョウに対し、あくまでもダーナはさらりと交わす。

「お前、トトが冗談を飛ばせるって事、完全に頭から抜け落ちてるな。全く冗談が通じないのはどっちだ!?少しは落ち着け。・・・・・・ま、所詮そんな事を言っても頭ごなしに反発する性格は一生治らないと思うが」

あっけらかんと言い放つ見事なまでのダーナの切り返しに、さしものジョウも形勢が不利と見て、ここは一旦引き下がる選択をする。
腹の内で煮え滾るほどの怒りを押さえ込みながら。

「・・・・・・言いたいことを言っていられるのも今のうちだけだ。今度、何かしかの事件でタッグを組むことが合ったら、その時は俺たちのチームの底力を見せつけてやる」

「期待しないで待ってるぞ」

交わす視線に火花をバチバチと散らせながら、二人は背中合わせに反対方向に一歩踏み出した
・・・・・・はずだった。

しかしそれはほんの数秒の出来事で、そのすぐ後に背後に聳え立つ毒々しいネオンが異彩を放つ地下バーへの入り口に、二人同時に足を踏み入れているのだった。

一瞬の沈黙の後、何故かさっきまで丁丁発止やり合っていた二人の心が、ある接点で見事に符合する。
それはまさに奇跡の瞬間だった。


「・・・・・もしかして・・・・・」
「・・・・・たぶん、お前の察し通りだ・・・・・」

互いの目に浮かぶ、憐れみと同情の感情が綯い交ぜになった、言いようのない気持ち。
それは経験したものでしか分かり合えない、ある種同志にも似た想い。

「まさかとは想うが・・・・・」
「皆まで言うな。大体お前のチームのアルフィンとウチのルーが似た者同士という時点で、もっと早くから気付くべきだった」

お互い顔を見合わせ、長い長い溜め息を一つふ~っと口から零れ出したと同時に、疲労感がドッと増す二人。

「苦労してんだな、ダーナ・・・・・・」
「お前こそ、涙目になってるぞ。ジョウ・・・・・・」

肩をがっくりと落としながら、階段を並んで下りていく二人の背中に充ちる哀愁の影。
それを見ながら、ひとりトトは呟くのだった。


「古今東西、げに恐ろしきは酒乱なり」

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