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符合(CJ SS)

久し振りにCJの超短編SSのUPです。

原作第3巻のアノ場面を、自分なりに解釈してみました。
(私が書くCJ SSの中では、結構甘めのお話かもしれません(笑))

昨日、今日と間をおかず、島&テレサ、CJと立て続けにUPしておりますが
明日はサイト開設日(2001.9.11)だった事に気付きました。
二つともちっぽけなSSですが、開設祝いということで、
よろしかったらお読み下さい(笑)

お立ち寄りして下さっている皆様方、いつも本当にありがとうございます。
今後もよろしくお願い致します。

「ジョウ・・・・・・!」

耳の奥深くにまで反響する声を認めた瞬間、全身の血が沸き立つような感覚がジョウを襲う。
聞き覚えのある響きが、ジョウの深層意識をダイレクトに揺さぶり続ける。

ずっと探し求めていたものが、不意打ちに近い状態で突然出現した瞬間、
人知れず押さえ込んでいた理性が一気に霧散し、本能の命ずるままに躊躇なく走り出した。
行く手を遮るものを容赦なく押し退けながら、必死に前進する自分の姿に呼応するかのように、
ただひたすらに駆け寄ってくる直向な蒼の眸。

互いが走り寄ることさえ、もどかし過ぎる位に・・・・・・
今はただお互いの姿しか目に入らず。

「アルフィン!」

その名を呼んだ刹那、身体の内側から迸るような生気が溢れ出す。
意識を経由しない感情に身を任せながら、ジョウはアルフィンの視線を眸の奥で
受け止め続けた。


『ジョウ!・・・・・・ジョウッッ!!!』


声にならないアルフィンの想いが虚空を駆け抜け、心に瞬時に辿り着いたと同時に
ジョウもまた、その名を叫び返す。
ありったけの感情を胸の内に撒き散らしながら。


『アルフィンッ!』


二人の想いが互いの身体をすり抜け、意識の奥で交錯した時・・・・・・、
紛れもない現実が、二人を手繰り寄せる。

艶やかな金色の髪が、ジョウの視界を緩やかに多い尽くした瞬間
胸の内に飛び込んできた、確かな・・・・・・確かな存在。
それが幻でないかを確かめるように、以前冗談半分にアルフィンに抱き付かれた際の腕の感覚を
必死に想い出す。

現実の感覚と、呼び覚ました腕の感覚が見事に符合した時、
ようやくジョウは安堵の声を漏らした。


「無事だったのか、アルフィン・・・・・・」


喉奥で蔓延っていた不安を、堪え切れずに吐き出すような掠れ声。
泣きじゃくったまま、ずっと胸にしがみ付いたままのアルフィンを見下ろす自分の顔が、
驚くほど柔和な表情になっていると気付かないジョウは、アルフィンをぐっと抱き締める。


・・・・・・夢じゃない!


紛うことなき現実の嬉しさを、噛み締める間もなく・・・・・・背後からの一撃でジョウは気を失った。

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