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裏腹 2

久し振りのCJ超短篇です。
SSというよりは小噺に近いですね(汗)

時期的には6巻終了直後あたりです。

よろしかったらどうぞ。

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「本当にいいんですか?」

幾度となくしつこく食い下がる男を一瞥し、ダンはスクリーンに向かって吐き捨てた。
内心は義理人情に篤い、この男の言い分を認めたい気持に溢れているのだが、クラッシャー評議会議長としての立場、そしてそれを支え切らねばならぬ意地とプライドが、その気持を瞬く間に粉砕した。

「くどい!これ以上私の気持を翻そうとしても時間の無駄だ。用が無いなら、回線を切るぞ」

脅しともとれる凄みを利かせるが、この男に対してはそれも無効だと一番良く分かっているのは、ダン本人だった。
相手もそれを重々承知しているようで、今度は搦め手を使って必死に訴え掛ける。
正攻法で訴えて駄目なら、今度は自分相手に泣き落しに近い戦法を使ってくるあたり、侮れない奴だとしみじみ想う。
長年の付き合いで、どう攻めたらいいか手の内を分かっているからこその、捨て身の攻撃は容赦ない。


――こいつを宇宙軍に行かせたのは失敗だったかもしれんな。


そんな弱気の胸の内が表情にチラッと映り込んだのを見透かしたように、バードはここぞとばかりに一気に畳み掛ける。

「オヤッさんが忙しいのは、こっちも充分承知していますよ!見舞いに行ってくれとは言いません。せめて手術後だけでも大切な一人息子に一言掛けてもらえませんか?」

ここまで徹底して親子という関係を避けてきた展開に、一石を投じる発言がバードの口から漏れこぼれた瞬間、ダンの険しい表情が僅かに歪んだ。
しかしそれもほんの一瞬だけで、再びポーカーフェイスを装ったダンはバードの最後の賭けも即座に蹴散らした。

「私相手に泣き落しは通用せんぞ、バード!これから会議に出席しなければならんので、今度こそ本当に回線を切る!」

無造作にコンソール上のスイッチに指先を伸ばし掛けた時、バードの最後の叫びが炸裂した。

「おやっさん!ジョウの手術は16時間後に終了します!その時は必ず・・・・・」

ブツッと音を立てて切れたスクリーンからバードの必死の形相が消え、代わって漆黒の画面が沈黙を紡ぎ始めた。
耳に残ったバードの叫びを胸の中で反芻するダンの目元が微かに緩む。

「バードといい、タロスといい・・・・・・どうして私のチームは、こうもお節介焼きばかりが集まったのだろうな。全くけしからん奴らだ、本当に」

言いながら左腕に填めたクロノメーターのアラームを16時間後にセットするダンの背中には、無骨な父親の想いが滲んでいくのだった。

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